命日とは故人が亡くなった日のことで、毎月の同日を月命日、一周忌を過ぎた後の年に一度の同月同日を祥月命日といいます。月命日・祥月命日ともに地域によって過ごし方に違いはありますが、一般的には命日にお参りする際にはお供え物を持参するのがマナーとされています。
今回の記事では、命日の知識について詳しくお伝え致します。
命日とは
命日とは一般的に「故人が亡くなった月日」の事であるという認識が強いのではないでしょうか。広義ではこの認識で間違いありませんが、冒頭でもお伝えした通り命日には月命日と祥月命日の二つの種類があります。それぞれ意味合いなどが異なるので二つの違いをご紹介致します。
- 月命日(つきめいにち)
- 命日とは故人が亡くなった月日のことをいいますが、
月命日はこれに対し、故人が亡くなった日と同じ日にちを指します。
つまり、月命日は命日の月を除いた毎月1回
1年の内、11か月やってくるということになります。
- 祥月命日(しょうつきめいにち)
- 祥月命日は一周忌を過ぎた後の年からの
故人が亡くなった「月日」の事を指します。
祥という字には「幸い」の意味もあり、
祥月命日には凶が去って吉になるという願いも込められています。
月命日では親族間でも法要が行われない事が多いことに加え、毎月贈り物をされてもかえって遺族側が負担に感じてしまうという事もある為、親族以外が贈り物をするのは祥月命日の年忌法要の際が一般的です。
のしや渡し方のマナー
お供え物にのしをつけるのも大切なマナーです。双銀または黒白の水切りで結び方は結びきりにします。ただし、関西地方では黄色の水引を使うことがありますので、事前に確認しましょう。表書きは黒の墨で「御供」もしくは「御仏前」と書きます。そして下段には送り主のフルネームを書きましょう。また、誰からのお供え物かを一目で分かるようにするために、包装紙の上にのしをつける「外のし」が基本です。自宅に伺う場合はまず仏壇にお参りしますが、その際に遺族に断りなくお供え物を置くのはマナー違反です。必ず「仏様にお供えしてください」とひと言伝えましょう。お供え物を郵送する場合には、のしが破れてしまうのを防ぐためにのし紙をつけてから包装紙で包む「内のし」にし、手紙などを添えて送ると良いでしょう。
注意点やポイント
命日にお供えする物品には特に決まりはありませんが、故人の好きなものを選ぶのが良いとされています。また、お供え物は一般的に家族でお下がりとしていただくのが通例ですから、故人だけでなくお供え物を受け取る遺族の都合や手間を考えた上で用意をすると良いでしょう。
- お菓子
定番のお供え物といえば、お菓子です。故人が好物だったものを選ぶのが好ましいですが、生菓子は賞味期限が短かったり要冷蔵だったりする為、可能であれば控えるようにしましょう。お菓子でおすすめなのは、比較的日持ちし常温での保管が可能な焼き菓子です。和菓子であればまんじゅうや落雁などが良いでしょう。いずれにしても遺族の家族構成などを考慮し、子どもが多い場合には焼き菓子やゼリー、年齢層が高い場合には和菓子にするなどの配慮をすると喜ばれるでしょう。また、地域によってお供え物を親族や身近な人に振る舞う風習があるので、個別包装してあるものを選ぶようにするとなお良いでしょう。 - お線香
上記以外にも、家族が少ない場合などで食べ物ではない方が良い場合などは消耗品のお線香もおすすめです。ただし、香りがあるもの、煙が立たないものなど様々な種類のお線香があるため、贈る際は先方の住宅環境や健康状態・好みなどを考慮して選びましょう。もしそういったことが分からない場合には匂いが控えめで、煙があまり立たないものを選ぶのが無難です。 - 果物
果物もお供え物として一般的ですが、痛みやすい種類は避ける必要があります。選ぶ際は故人が好きだった果物や旬の果物にしましょう。また、傷みにくいものや分けやすいものがおすすめです。丸い果物は縁起がよいとされるので、メロンやリンゴなどが選ばれることが多いです。贈る際には、故人との縁を切るという意味合いを避けるため果物の個数は奇数にしましょう。 - 花
故人が花を好きだったのであれば、花をお供えとするのもおすすめです。白・黄色・青などの落ち着いた色合いで日持ちがする花を選ぶと良いでしょう。故人の好みに合わせて選べば問題はありませんが、バラなどのトゲのある花・香りの強い花・鉢植えは仏花として相応しくないとされているため特別な事情がない限り控えましょう。
続いて、お供え物に相応しくないものをご紹介して致します。
- 大きいものや重いもの
スペースを取ってしまう大きいものやかさばるもの・重いものは物理的にもご遺族の負担になりかねない為にも避けましょう。また、お供え物を遺族で分けることがあるので持って帰りやすいように重いものは避けるようにしましょう。 - 肉や魚
肉や魚などは殺生を連想する品のため、お供え物として相応しくないとされています。 - お酒
お酒はお神酒としてお供えすることもありますが、遺族がお酒を飲めない場合もありますから配慮が必要となります。故人も遺族もお酒が好きというこであれば問題ありませんが、重くてかさばるような瓶などであればやはり避けるのが無難と言えるでしょう。
お供え物の値段の目安については、故人や遺族との付き合いや関係性によっても変わってきますが、お供え物のみであれば三千円から五千円程度が一般的のようです。また、地域によってはお供え物と現金の両方を贈るなどの風習がある為、分からない場合は詳しい親戚の方や地域の知り合いの方に相談するようにしましょう。