袱紗(ふくさ)とは、贈り物の金品を包んだり覆うことに使用する儀礼用絹布で、元々は貴重品などを入れた箱の上にかけていた風呂敷が贈答品を運ぶ際に日焼け防止として使用されたのが始まりと言われています。近年では冠婚葬祭の際に熨斗袋を包む用途として、また葬儀においては香典袋を包むのに使用されています。
今回の記事では香典袋を包む際の注意点などを含め袱紗の正しい知識をお伝えします。
袱紗の種類について
袱紗には大きく分け「包む形状」と「挟む形状」の二種類あります。包む形状には、正方形の布がそのまま使われた風呂敷タイプとその形状に留め具が付いた爪付きタイプや台のついた台付きタイプがあります。台と爪の両方が付いている物もあります。正式な場面で使われる一般的なものが風呂敷タイプとなります。使った後に持ち帰る際には小さく畳むが事ができるので、小さなかばんを持ち歩く事が多い冠婚葬祭の場面で重宝します。爪付きタイプは留め具が付いていますので持ち歩く際に包みが開く心配がなく安心です。台付きタイプはご祝儀・御香典をのせやすいだけでなく、香典袋のずれや型崩れを防ぐことができます。ただし、台の色が赤いものは慶事用なので注意しましょう。
挟むタイプには金封袱紗というものがあります。中にそのまま挟むだけでよいので開閉がとても簡単な上に包む際の手間がないので、近年では使いやすさの面から金封封鎖は老若男女問わず人気です。しかし、ここで注意して頂きたいのが、元々正式とされている物は先に述べた包むタイプなので、場面や出席者との関係性によっては使い分けるようにしましょう。下記に袱紗の代表的な種類をまとめましたので、こちらも参考にして下さい。
袱紗の色について
袱紗を選ぶ際に色は重要な点になります。失礼の無いようにしっかりと確認をしましょう。
弔事で使用できる代表的な色はこちらです。
- 紫
- 緑
- 紺
- 茶色
- 藍
- グレー
といったように、寒色系が使用可能です。注意したい点として、紫は慶弔と弔事のどちらでも使用することが可能ですが薄紫は暖色に含まれ慶事用とされることが多い為、弔事の際はなるべく色の濃いものが良いでしょう。刺繍や柄が入っているものは華美な印象にになりがちなので避けた方が無難ですが、弔事で使うふくさに柄が入っている物を選ぶ際は蓮や菊・蘭などの柄が適しています。また男性が使うふくさは基本的には柄のない紫色が無難であるとされています。
袱紗の包み方について
袱紗の包み方は祝儀袋と不祝儀袋とでは包み方が異なるので特に注意が必要です。詳しい包み方については下の図を参考にして下さい。